プロジェクト・ステータス・レポートは、特定の期間におけるプロジェクトの進捗を記録するものです。プロジェクト状況レポートは、プロジェクトの最新情報の中心的なリソースとして機能し、チームが現在のプロジェクト状況や残タスクを確認するのに役立ちます。
このレポートでは、プロジェクトの進捗をプロジェクト計画目標と比較して詳しく説明します。プロジェクト・ステータス・レポートには、多くの場合、以下のような情報が含まれます。
- プロジェクト名、開始日/終了日、報告書の日付など、プロジェクトを特定するもの。
- プロジェクトの目標とその達成に向けた進捗状況、スケジュール、予算、プロジェクトチームの注意が必要な特別な事項などに関する重要な情報を記載されたプロジェクト概要。
- プロジェクトに関わるチームメンバー、主要な利害関係者、プロジェクト所有者のリスト。
- プロジェクト状況報告の頻度(例:日次、週次、月次、隔月)。
- プロジェクト範囲、予算の詳細な概要。
- タスクの依存関係の包括的な内訳
- プロジェクトのボトルネックとその対処法、およびそれを軽減するために現在取られている措置の一覧。
プロジェクトマネージャーは、チームリーダーやチームメンバーなどプロジェクトのタスクの完了に関与する人々から意見を求めて、ステータスレポートを作成します。プロジェクトマネージャーは通常、プロジェクトの予算、リスク要因、スケジュール、タスクの完了、マイルストーンの進行などをモニターし、プロジェクトが事前に設定した目標を確実に達成するために、これらの報告書を使用します。
また、プロジェクトの進捗状況を主要な利害関係者に報告するためにも使用されます。このようなレポートを活用することで、チームはプロジェクトのリスク要因を事前に軽減し、すべてのプロジェクト目標が成功裏に達成されるようにすることができます。
実用的なプロジェクト・ステータス・レポートを作成する理由
平均して、プロジェクトマネージャーの 60% 近くが 2~5 の社内プロジェクトを管理しています。プロジェクト・ステータス・レポートは、タスクやリソース管理を見える化し、貴重な時間を節約することで、複数のプロジェクトを同時に管理するのに役立っています。
また、プロジェクトの進捗状況を把握し、プロジェクトに関連するタスクを管理するためのアクションを起こすことができます。実用的なステータスレポートがないと、プロジェクトの問題を軽視したり、リスクを管理せずに放置したりするなど、プロジェクトの失敗を招くような行動をする可能性があります。
実用的な状況報告とは、プロジェクト計画からの逸脱を明らかにし、チームメンバーや利害関係者がプロジェクトの進捗状況を把握できるようにすることです。これには、プロジェクトのタスクのステータスや、進行、完了したことを示すアクションを確認することも含まれます。
効果的なステータスレポートは、何が計画通りに進み、何が計画通りに進まなかったかを報告する必要があります。これにより、プロジェクトの各フェーズがどのように実行されたかを十分に説明する強力な監査ツールとして機能し、マネージャーやチームメンバーが将来使用するための洞察を収集するのに役立ちます。
また、プロジェクトが成功裏に終了した後、プロジェクトチームは過去の状況報告書の内容を参照し、今後のプロジェクトでどのような戦略を用いるべきか、またどのような戦略を過去のものとして残すべきかを正確に知ることができるはずです。
実用的なプロジェクト状況報告書を使用することの利点は次の通りです。
- プロジェクトの健全性監視の合理化
プロジェクトの健全性は、プロジェクトを成功させるチームの能力に直接影響します。したがって、プロジェクトマネージャーにとって、プロジェクトの期間を綿密に監視することは非常に重要です。プロジェクトの健全性は、予算差異、従業員の生産性率、成果物の品質など、主要なプロジェクトメトリクスの状況によって決定されます。
プロジェクト・ステータス・レポートでは、これらの主要な測定基準のそれぞれの状況について、正確なプロジェクト・データを定期的に編集することが管理者に求められます。プロジェクト・ステータス・レポートにより、プロジェクトマネージャーは、これらの情報を効率的に追跡し、チームや主要な利害関係者と共有することができます。これにより、プロジェクト関係者は、主要なプロジェクト指標のステータス、ひいてはプロジェクト全体の健全性を向上させるための実用的な洞察を提供できるようになります。 - プロジェクトの見える化の向上
プロジェクトの見える化はプロジェクト管理を成功させるための重要な要素です。一貫したプロジェクトのステータスレポートを作成・配布することで、経営陣はチームメンバーや主要な利害関係者に、各自の責任、潜在しているプロジェクトリスク要因、プロジェクト自体の進行状況などをうまく伝えることができます。
このように常にプロジェクト情報を提供するは、チームが説明責任を果たすことになり、利害関係者の信頼を高めることができます。プロジェクトに関わる全員の意識が統一されていれば、専門知識を共有し、プロジェクトを成功に導くために協力する力が湧いてくるはずです。 - 利害関係者のやる気の向上
2020 年の KPMG のプロジェクト・デリバリー・パフォーマンスに関するレポートによると、自社のプロジェクトが利害関係者の満足を得られるように引き渡し(デリバリー)されていると考える企業はわずか 52% とのことです。これは、利害関係者とのコミュニケーションがうまくいっていないことが原因であることが多いようです。
プロジェクトマネージャーとして、プロジェクトの期間中、利害関係者を巻き込むことは非常に重要です。なぜなら、利害関係者は、チームがプロジェクトの目標や目的を達成するために必要な、豊富な経験や知識を持っていることが多いからです。プロジェクトの進捗状況やボトルネックの可能性を利害関係者と共有することで、利害関係者からのフィードバックが得られます。
対象者別のプロジェクト状況報告書の作成
プロジェクト状況報告書を作成する際、対象者を考慮することが重要です。プロジェクトの進捗状況を報告する相手は、自分のチームなのか、上級管理職なのか、それとも上級役員なのか。それぞれの利害関係者によって、必要な報告書のレベルが異なります。
ここでは、さまざまな対象者に合わせてプロジェクトのステータスレポートをカスタマイズする方法を説明します。
直属のチームメンバーと利害関係者
直属のチームメンバーや利害関係者は、プロジェクトの日常業務に直接携わっている人たちです。この対象者は、プロジェクトの進捗状況や今後の変化についてしっかりとした見解を示す週次ステータスレポートがプロジェクト管理者に期待されています。
プロジェクト管理者は、このステータスレポートを常に更新し、プロジェクトの詳細を明示し、必要であればチームに迅速に提供できるようにする必要があります。このレポートから、チームは過去のプロジェクトの成果を簡単に振り返り、現在の週に直面した課題の概要と、次の週の計画を知ることができます。
マネージャー上層部と利害関係者
上層部のマネージャーや利害関係者は、プロジェクト管理者が担当しているプロジェクトに参加していることを実感できるような状況報告を求めています。ハイレベルなマネージャーは、プロジェクトの進行状況をハイレベルに見ることができるものを求めています。
管理職は、予算がどのように使われているか、成果物の品質はどうか、プロジェクトリスクはどのように管理されているかなどを知りたがります。このような報告書の目的は、管理職が自分の監督するプロジェクトの状況について質問されたときに使える、ハイレベルな論点を身につけることにあります。この場合、プロジェクト状況報告書は、毎月または隔月で、ハイレベルな管理者に送付し、常に情報を提供することができます。
CEO、取締役、トップレベルの役員
トップレベルの役員は、一般的に、現在の会社のプロジェクトの進行状況について、ハイレベルのマネージャーから情報を得ようとします。したがって、CEO(最高経営責任者)・CFO(最高財務責任者)・COO(最高執行責任者)・CIO(最高情報責任者)など、「C」から始まる会社の経営を司る一連の役職向けのステータスレポートを作成することは、利害関係者の支持と透明性を高めるのに役立ちます。
ステータスレポートでは、プロジェクトの最も重要なハイライトに注目し、誰がどのアクションアイテムに責任を持つかを記載する必要があります。こうすることで、利害関係者の間でプロジェクトの透明性が高まり、トップレベルの役員は、あなたのチームがプロジェクトを成功させることができることを確信することができます。
これらの要素を考慮し、関連する情報を収集したら、以下の手順で効果的なプロジェクトの状況報告書を作成します。
1. プロジェクト状況報告書のテンプレートを選ぶ
プロジェクト状況報告書は、正式なビジネス文書であることを念頭に置くことが重要です。視覚的に美しく、論理的に構成されたプロジェクト報告書を作成するには、プロジェクト報告書のテンプレートを使用します。
プロジェクト状況報告書のテンプレートは、カスタマイズ可能で、以下のような必要な項目がすべて含まれているものを選びましょう。
- チームの成果
- 財務状況の更新
- 潜在的なリスク要因
- 発生した問題
- 推奨事項
- 実行可能な次のステップ
次の画像は、MindManager® のプロジェクト ステータス テンプレートを示しています。

2. チームの成果を入力する
プロジェクト状況報告書の実績欄には、チームが達成しようとしているタスクの割り当て状況を詳細に記載します。現在の作業期間中の主要なタスクや成果物のうち、2~3個の説明を書き込むだけです。そして、各成果物の説明と期日を記録します。
次に、担当するチームメンバーに声をかけて、成果物の状況を更新します。これらのチームメンバーに完了した課題の割合と課題の状況を尋ねます。
課題のステータスには、「未着手」「進行中」「完了」の3種類があります。すべてのタスクの割り当てが更新されるまで、各成果物についてこの情報を記録します。

3. プロジェクト予算の状況を更新する
プロジェクト・ステータス・レポートの財務状況セクションは、プロジェクトの支出を記録し、計画していたプロジェクトコストと比較します。この2つの金額に差異がある場合は、その理由を必ず説明してください。この情報は、チームが財政支出を把握し、主要な利害関係者との間で予算の透明性を維持するのに役立ちます。

4. 潜在的なリスク要因の評価
プロジェクト・ステータス・レポートのリスクサブトピックでは、タスクの割り当てを完了する際にチームが遭遇する可能性のある潜在的なリスクについて説明する必要があります。各リスクは、リスクが発生する確率、リスクの影響、リスクの優先度など、適切に識別、評価する必要があります。
前回のステータスレポート以降にリスク要因に変化があった場合は必ず記載しましょう。例えば、あるリスク要因の発生確率がステータスレポート以降に上昇した場合、発生確率の上昇と、そのリスク要因が将来発生する可能性が高くなった理由の説明も記載します。

5. 発生した問題への対処
プロジェクト状況報告書のこのサブトピックには、プロジェクト期間中にあなたのチームが遭遇した問題と、それらの問題の対処法を説明するのに非常に重要です。あなたのチームがこれらのタスクを完了する能力は、あなたのチームがプロジェクトを成功させる確率に直接影響します。
チームが直面した各問題は、プロジェクトに与えた影響、目標期日、状況 (未着手、進行中、完了など)問題解決方法など詳細に記述する必要があります。

6. 推奨事項
このセクションは、これまでのプロジェクトの進行状況を有意義に振り返るためのスペースを提供します。タスクの状況、予算の更新、リスク要因、発生した問題を確認します。
チームや主要な利害関係者と相談し、将来を見据え、プロジェクトを軌道に乗せるために、チームがどのようにプロセスを改善すればよいかを提案します。これらの推奨事項を詳細にリストアップし、チームが将来に向けて詳細な参考情報を得ることができるようにします。

7. 実行可能な次のステップを作成する
プロジェクト状況レポートを最大限に活用するために、プロジェクトを前進させるために必要な次のス テップを強調するようにします。ステータスレポートの次のステップのサブトピックで、実行可能な次のステップ(別名、アクションアイテム)を定義します。
次のステップを書くときは、行動そのもの、行動の目的、行動の責任者を必ず記載します。そうすることで、プロジェクトで対処しなければならない問題や完了しなければならないタスクが、適切かつタイムリーに処理されるようになります。

MindManager を使用してプロジェクト ステータス レポートを作成する方法
プロジェクト ステータス レポートの作成は、適切なツールがなければ困難な作業のように思えるかもしれません。MindManager は信頼を受けてきたマインドマップ作成ツールで、ユーザーに幅広いプロジェクト管理テンプレートを提供し、 これを使用してチームのための包括的なプロジェクトステータスレポートを作成することができます。
MindManager は共同編集機能を備えたデジタルプラットフォームであるため、チームが各自で割り当てられたタスクのステータスを更新できるようにすることができます。これにより、プロジェクト状況レポートの作成プロセスが効率化され、プロジェクト管理者はプロジェクトプロセス改善の箇所を特定し、それに対処するための時間を確保することができます。
また、MindManager では、重要なドキュメントをステータス レポートに直接リンクすることができ、プロジェクトが設定された目標や目的に向かってどのように進行しているかを正しく理解するために必要な情報を利害関係者に提供することができます。
MindManager 無料トライアルを使用して実用的なプロジェクト ステータス レポートを作成してみてください。
マインドマップをフローチャート、
ガントチャートまで変換し管理する

個人はコチラから
法人はコチラから
この記事は、Why project status reports are an essential aspect of achieving business goals | SEPTEMBER 21, 2022 を翻訳したものです。