著者:ジル・ヒューティッチ
ワークフロープロセスは、効率性の向上、意思決定の改善、業務の合理化、そして最終的には企業のコスト削減など、ビジネスを変革することができます。 ご想像の通り、ワークフロープロセスを定義し、最適化することには明確なメリットがあります。
それと同じくらい重要なのは、ワークフロープロセスはビジネスの効率化に役立つだけでなく、事故を防ぐこともできるということです。例えば、1986年に発生したスペースシャトル「チャレンジャー号」の爆発事故を例に挙げてみましょう。当時のエンジニアは、寒冷地でのOリングの問題の可能性を懸念していました。
これらの問題はエンジニアリングチームによってよく知られていましたが、経営陣に通知しようとしても耳に入りませんでした。NASAの経営陣はこの問題を調査する代わりに、この問題を無視することを選択しました。Oリングの限界を知っている人たちが深い懸念を表明したにもかかわらず、NASAは打ち上げを進め7人の宇宙飛行士を失う結果となってしいました。
振り返ってみると、機器の故障に関連する懸念事項をカーペットの下に隠してしまうのではなく、徹底的に調査するためのワークフロープロセスが整備されていれば、このような災害は避けられたかもしれません。
幸いなことに、ワークフロープロセスを正確に定義していなくても、ほとんどの企業は人命に関わることはありません。しかし、この例は、ワークフロープロセスが問題を未然に防ぐことで、問題が発生した後に企業が対応を迫られることがなくなることを示しています。
結論から言うと、ワークフロープロセスは非常に重要です。では、具体的にどのように作成するのか?本記事では、このような観点から、ワークフロープロセスについて解説します。
この記事では、典型的なワークフロープロセスをレビューし、チームやプロジェクトのためのワークフロープロセスの書き方を紹介し、ワークフロー管理とビジネスプロセス管理の違いを説明します。
ワークフロー管理 vs. ビジネスプロセス管理
ワークフロー管理とビジネスプロセス管理(BPM)は、組織の効率化という同じ目的を持っています。しかし、それぞれ異なる角度からアプローチしています。
ワークフロー管理は、組織内の特定の反復的なタスクをどのように管理するかを定義するもので、基本的には、人と部門の間の仕事の流れを定義します。
顧客が注文をした後、誰がその商品の在庫を確認するか?在庫がない場合は、どのようにして顧客に通知するのか?どの部門が注文を取りに行くのか、また、どのようなプロセスの中でいつ注文が発生するのか?などがワークフロープロセスの例です。
対照的に、ビジネスプロセス管理はより複雑です。それは全体的な効率を改善する目的で組織全体のプロセスを見ます。ここでの目標は、各プロセスの継続的な改善です。
ワークフロー管理はビジネスプロセス管理の構成要素であり、そのために用語がしばしば混同されています。
ワークフロープロセスの書き方
ワークフロープロセスを書くのは気が引けるかもしれませんが、プロジェクトのワークフロー管理のために作成する場合でも、チームのワークフロー管理のために作成する場合でも、その手順は非常に簡単です。この記事では、その両方を見てみましょう。
プロジェクトのワークフロープロセスの書き方
1. 成果物の特定
プロジェクトのワークフロープロセスを書き下す前に、プロジェクトから生み出されるすべての成果物をリストアップしておきましょう。例えば、新製品を発売することにしたとします。
成果物には、以下のようなものが含まれます。
- 製品仕様書
- 製品プロトタイプ
- プレスリリース
- トレーニングマニュアルの更新
- 新しいパッケージ
これに取り組む際には、成果物とはプロジェクトから得られる実際の成果物であることを念頭に置いてください。
成果物には、成果物を作成するために必要な活動は含まれていません(例えば、プレスリリースは成果物ですが、プレスリリースを書くことは成果物ではありません)。プロジェクトの成果物を特定したら、次のステップに進む準備ができています。
2. 成果物のためのプロセスを作成
すべての成果物は、ある種のプロセスに従って作成されます。例えば、プレスリリースは、次のようなプロセスで作成されるでしょう。
- 上層部に折衝して予算取得
- プレスリリース原稿作成
- 法務部のプレスリリース承認
- プレスリリースの管理者承認
- プレスリリースを通信社に配信
このステップでは、各成果物のワークフロープロセスを記述します。これにより、プロジェクトを成功裏に完了させるまでに必要なすべての作業を特定することができます。
ワークフロープロセスを作成している間に、いくつかのアクティビティに依存関係があることに気づくでしょう。例えば、プレスリリースに新製品の写真を掲載する必要があるとします。プレスリリースの配信は、製品プロトタイプの作成に依存します。これらの依存関係をメモしておくと、次のステップで作成するビジュアルワークフローに反映させることができます。
3. プロジェクトのワークフローを図示
すべてのプロジェクト成果物のプロセスを作成したら、ビジュアルなワークフローを作成する準備ができています。このフローチャートを使えば、誰でも簡単にプロジェクト全体の概要を把握することができます。前述したように、プロジェクトやプロセスの依存関係もこのフローチャートに含める必要があります。
このステップでは、MindManager を使用することをお勧めします。MindManager の直感的なテンプレートを使用すると、プロジェクトの計画、プロセスの文書化、 ワークフローの最適化を簡単に行うことができます。
チーム向けのワークフロープロセスの書き方
1. チームに話をする
このステップは当たり前のように見えるかもしれませんが見落とされがちです。しかし、重要です。チームワークフロープロセスを文書化する際には、まずチームメンバーの意見を聞くことから始める必要があります。
例えば、ベンダーへの支払いを管理するためのチームワークフロープロセスを文書化することにしたとします。最初のステップは、チームメンバーを巻き込んで質問をすることです。
誰が請求書を受け取るのか?請求書を支払う前に、誰がその請求書を承認する必要があるか?その人はどの部署にいるのか?承認プロセスはどのように行われるのか?承認後、実際に請求書を支払うのは誰か?
与えられたプロセスの中で、どのチームが各タスクを処理するのかがわかれば、次のステップに進む準備ができます。
2. 責任の所在を明確にする
いくつかのケースでは、部門間で重複があることに気づくかもしれません。例えば、経理部門が請求書を承認することもあれば、財務部門が担当することもあります。
チームワークフロープロセスを定義する際には、このような重複を避けるために、特定の部署にタスクを合わせるようにしましょう。
3.チームワークフローを図示する
プロセスの流れと、どの部門がいつどのようにさまざまなタスクを処理するかを特定したら、フローチャートを使って開発したプロセスを文書化します。ここでも MindManager が最適です。
ご覧のように、チーム ワークフローやプロジェクト ワークフローを文書化するためのフレームワークがあれば、組織内ではかなり簡単に文書化することができます。さらに、これらのプロセスが明確に定義されると、潜在的な落とし穴に簡単に気づくことができます。
落とし穴を見つけても、落胆する必要はありません。それは実際にはプロセス(プロセスマッピング)の一部なのです。問題ではなく、チャンスだと思ってください。あなたが作成したワークフローは、常に効率を向上させるために微調整を行い、修正することができます。
これが、ワークフローがよく使われている理由の一つでもあります。
この記事は、How to create a workflow process | June 11, 2020 を翻訳したものです。
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