著者:ブレンダン・マコネル
ユネスコが最近実施したの調査によると、COVID-19の感染拡大により、世界にいる学生の約90%に直接影響をもたらしています。 学校の閉鎖、学年行事の変更、オンライン教育への移行など広範囲の影響をもたらしました。これらの変化は教員と学生にとっていままでにない課題を生み出しました。
教員には、新しい遠隔教育環境や充実した学習体験を実現するために必要なツールを計画し、適応する時間がほとんどありませんでした。新しいオンライン教育ツールを特定して導入することは、長いスケジュールの中で行われてきましたが、反省やプロセスの改善のための時間は非常に限られていました。
この記事では、リモート教育が直面する主な課題を探り、それらの問題に対する解決策を提供し、リモート教育のためのマインドマップの利点を説明します。
さあ、始めましょう。
>>参考資料・オンライン授業になぜマインドマップが有効なのか?その理由と方法
オンライン教育の課題
上でも述べたユネスコの研究では、感染拡大の結果としてオンライン教員が直面している5つの主要な課題を挙げています。
1. 非効率な教授法への依存
教員と生徒の間で物理的な距離が離れているために新しい教授法が適用できなかったり、効果が低いとわかっている教授法をしたりしています。これは主に、世界の多くの場所で、対面でのインタラクティブを必要とする学習体験ができないために生じています。
このような効果のない教授法には、以下のようなものがあります。
- 実践的なフォローアップがほとんどないバーチャルまたは物理的な学習教材の配布
- コース教材の一対多数の読み上げによる受動的なリスニング
- 横同士の関わり合いを最小限に抑えたコース教材
- 視覚的な学習や体験的な学習から、言語やテキストをベースとした学習への回帰
すでに述べたように、必要性から逆戻りしてしまっています。多くのバーチャル教員には、遠隔地の環境で効果的に学生と関わる新しい方法を見つける能力や時間がありません。その結果、古くて効果的ではない教授法に頼ってしまうことになります。
2. 教育関係者も疲弊しておりサポートも不足
世界中の教育関係者は、オンライン教育への移行に伴う様々なプレッシャーや要求に対応するのに苦労しています。この世界的な感染拡大という性質上、オンライン学習に移行する際に、教員はほとんど、あるいは全く知らされていませんでした。
その結果、教員は膨大な量の教材をオンライン学習環境に適応させなければなりませんでした。これに加えて、家族との両立、ロックダウン、仕事上の責任など、個人的な課題もあり、一度に多くのことに引っ張りだこになってしまっています。
3. 格差が状況をさらに悪化
オンライン学習には、参加するために適切なデバイスやアプリケーションが必要です。もちろん、すべての生徒が他の生徒と同じインターネット接続、アプリケーション、デバイス、学習教材にアクセスできるわけではありません。
このことは、異なる社会経済グループ間の格差を悪化させ、すべての生徒が平等な学習機会を確保することを困難にしてます。
4. 教育関係者は様々な方向に引っ張りだこ
感染拡大時の学校の安全対策は国によって、さらには教育委員会によっても異なります。学校が再開した場所では、多くの教員がいろいろなスタイルの授業を両立させることを求められています。これには、教室内での授業、バーチャル教室、伝統的な遠隔教育などが含まれます。
これに加えて、教員は授業計画とカリキュラムを作成し、それぞれの媒体にその計画を合わせなければなりません。これに加えて、スタッフと生徒の安全を守るために必要な安全手順を最新の状態に保ち、実施しなければなりません。
5. 生徒間で孤立や注意力散漫が蔓延
いままでの教室でも、若い学生の興味を引き、注意力を維持させることは難しいものです。これに自宅でのオンライン学習の孤立感や注意力散漫が加われば、さらに困難になります。
リモート教員は、社会的に孤立した生徒を、教材に集中させる方法を見つけると同時に、前述のすべての課題に取り組まなければなりません。
幸いなことに、私たちはこのような課題を解決するための新しいテクノロジーには事欠かない世界に生きています。次のセクションでは、いくつかの解決案を掘り下げていきます。次に、マインドマップと MindManager がどのように役立つかについて説明します。
オンライン教育の課題を解決法
以下は、オンライン教員が日常的に直面し、克服しなければならない最も一般的な問題の5つを反映しています。それぞれの問題を解決するために、先のユネスコの記事からの推奨事項を盛り込みました。
1. モチベーションの欠如
各生徒に明確で測定可能な目標を設定することで、生徒が学習に集中するためのゴール設定します。各学習活動と課題の目標を明確にし、明確な値を設定します。
これには以下が含まれます:
- 時間枠と期限の設定
- 測定・定量化可能な結果
- 説明責任の手段
- タスクとプロジェクトの完了までを追跡する力
- オープンなコミュニケーションとコラボレーション手段
オンライン学習者への期待を明確に伝えることが重要です。そうすることで、彼らのモチベーションを維持しながら、目の前のタスクを完了させ、うまくいけば、彼らのために作成した結果を達成することができます。
2. 孤立
学生の孤立に対する最良の方法は、オンライン教員として利用可能なテレビ会議とコラボレーションツールを活用することです。できるだけ多くの仮想グループ活動を調整します。お互いカメラをつかってチャットしましょう。
学習教材との共同作業を可能にするプラットフォームを使用することも、生徒間のつながりを生み出す素晴らしい方法の1つです。教材の共有、コメント、共同作業を可能な限り簡単にしましょう。
3. 技術的な問題
バーチャル授業は、あなたと生徒が自由に使えるツールとインターネット接続環境があればこそ効果的です。すべての生徒に学習の機会が平等に与えられるようにするために、早めに学校に連絡し効果的に参加するために必要なデバイスや接続にアクセスできる生徒がどれくらいいるかを確認してください。
次に、使いやすく、直感的で、リソースをあまり必要としないソフトウェアを選ぶ必要があります。生徒に簡単に配布でき、幅広いデバイスに簡単にインストールできるオンライン学習ツールを選びましょう。
最後に、新しい学習ソフトウェアの使用への自信の確認するために、学生とのトレーニングセッションをスケジュールする必要があります。新しいツールへの適応に苦労している学生のために、追加のヘルプを手配してください。
4. 煩雑な学習教材
長ったらしい指示書や学習文書を、短くて消費しやすいリソースに変換します。マインドマップや録画ビデオなどの可視化ツールを活用して、生徒のために、より魅力的で一口サイズの情報を作成しましょう。
直線的なテキストベースの文書から離れれば離れるほど、生徒の関心と理解度は高まります。これについては次のセクションで詳しく説明します。
5. タスクと進捗状況のトラッキング
最後に、オンライン学習ツールを使用して、各生徒のために独自のタスク追跡ダッシュボードを作成することができます。ダッシュボードには、あなたと生徒がアクセスでき、クラスが取り組んでいる主要な目標、プロジェクト、学習単元が含まれていなければなりません。
ダッシュボード、かんばん、タスク追跡マインドマップなどの可視化ツールは、どれも素晴らしい選択肢です。ただ、定期的に進捗状況を確認し、フィードバックを提供できるように、これらのドキュメントを共有し、共同作業ができることを確認してください。
教育におけるマインドマップの効果
MindManager のようなマインド マップおよび情報の可視化ソフトウェアには、この問題で提起されたオンライン教育の課題を解決するのに役立つ多くの利点があります。
このプラットフォームは特に下記の改善に役立ちます:
- 情報の共有
- 教材の理解
- 情報の保持
- 学生のやる気
- 調査・分析
それではそれぞれのメリットの詳細をみていきましょう。
1. 情報の共有
マインドマップ法は、学習内容を簡単に分類し、アクセスしやすく、かみ砕きやすい方法で整理できるようにすることで、学生が情報過多を克服するのに役立ちます。
リモート教員や学生は、リンク、添付ファイル、画像をマップに追加して情報に深みを持たせることもできます。これにより、単純なマインドマップは、学生が自分のニーズに合わせて消化し、適応させることができる情報の完全なデータベースに変わります。
情報は、フィルター、リレーションシップ、条件付きフォーマット、タスク割り当てなどの機能で、静的なドキュメントから動的なものへと進化します。オンラインの教員と学生は、オリジナルの学習教材を構築して、各個人に最適化されたダイナミックで魅力的なリソースを作成することができます。
最後に、MindManager では、教員と学生がマップをエクスポートして共有するためのさまざまな方法が提供されています。これには、HTML5 エクスポート、Web への公開、ドキュメントの PDF、Word、PowerPoint ドキュメントへの変換などが含まれます。
2. コース教材の理解
Chuck Frey が Mind Mapping Software Blog で毎年行っている調査によると、ほとんどのユーザーは、「複雑な問題の理解が深まった」ことが、MindManager のようなプラットフォームから得られる最大の利点であると答えています。
これは、マインドマップを使用して新しい情報を分析する際に、非線形、多次元、および多感覚的な学習が行われることが主な理由です。マップを作製すると、学生が情報をセグメント化し、複雑なトピック、構造、および全体像を理解するのに役立つ方法でそれを操作することができます。
マインドマップが「意味のある学習」を可能にすることが証明されています。これは、学生が新しい知識を得たとき、その知識がすでに持っている知識と結びついたときに発生します。マインドマップは、学生がすでに知っていることと、学んだばかりのこととの間に視覚的な接続を形成することで、このプロセスをつなげるのに役立ちます。
この能力は、学生と一対一の時間を作れない遠隔教育環境で成功するために重要です。
3. 情報の保持
マインドマップは視覚的な情報処理ツールであり、音声やテキストベースの学習よりも広い範囲の利点があります。それは人間が主に視覚的な方法で学習するからです。実際には、私達の脳によって処理される情報の90%は視覚であり、80%の人々は読んだり聞いたりしたものより、見たことの方が記憶に残ります。
したがって、視覚化すると学生が長期的に情報を保持することが容易になります。「図は他の種類の表現形式よりも記憶に保存されやすい。マップは、描くことも可能で、視覚的で、記憶の中で情報を別々に理解することができる」と、 W.マーティン・デイビスはいいます。
このことはオンライン教員にとって何を意味するのでしょうか? それは、生徒がコース教材を視覚的に学習したり、作業したりできるようにすることが、長期的にはより良い理解と定着につながるということです。実際、研究者たちはこの数字を数値化し、マインドマップを使って勉強することで10~15%定着率を高めることができることを発見しました。
4. 生徒のやる気
マインド マップは、オンライン教員が共同でブレーンストーミングや情報共有セッションを行う際に使用できる優れたツールです。仮想ホワイトボードとして機能する MindManager のマップは、画面上で簡単に共有でき、学生から新しいアイディア、コメント、質問が出てきたときにリアルタイムで表示されます。
このように学生が積極的に参加することで、PowerPoint や Word ドキュメントのような 1 対多人数のプレゼンテーション方法では簡単には達成できない、より高いやる気が得られます。
5. 調査・分析
最後に、マインドマップは、学生が新しいテーマを研究したり、課題の計画を立てたりするために使用できる強力なツールです。情報の一元化、リンクや添付ファイルの追加、トピック間の視覚的なつながりにより、情報の詳細な調査や分析がはるかに容易になります。
このツールは、バーチャル教員と学生の両方にとって有益であり、情報収集と分析をつなげるのに役立ちます。すべての情報を1つのマップに集約することができるため、フォルダや複数のドキュメントよりもはるかにアクセスしやすく、作業がしやすくなります。
4つのオンライン学習テンプレートではじめよう
ここまで2020 年、オンライン教員が直面する課題、それらの問題に対するいくつかの解決策、およびマインドマップがその問題にどのように適合するかの概要を説明してきましたが、ここでは、すぐに使える MindManager テンプレートをいくつか見てみましょう。
1. 授業計画
レッスンプランや講義ノートを作成する際に、教員はメイントピックを作成し、それを他の重要なポイントにつなげて、リンクやファイルを埋め込むことができます。この構造は、主要な学習単位や、それぞれに必要な特定のトピック、リソース、課題を含むように拡張することができます。
完成したこのマップは、次の学期の説明資料として、また指導資料として、同僚や学生と簡単に共有することができます。
以下にコース提案書のテンプレートのサンプルがあります。[メニュー]-[ダウンロード]をクリックすると、このファイルにアクセスできます。
2. 整理整頓
デジタルマインドマップは、タスク、レッスンプラン、To-Do、さらには生徒の情報までも把握するのに最適なツールです。重要な情報を紙からマインドマップに移し、これを中心としたダッシュボードとして使用して仕事を整理しましょう。
以下は、教育関係者が様々な管理業務の優先順位とタスクの進捗状況を追跡するために使用できるサンプルテンプレートです。これは、教員としてのあなた自身の責任を反映させるために簡単に応用したり、拡張したりすることができます。
3. 授業での連携
マインドマップは、グループでのブレーンストーミング、プレゼンテーション、学生間での深い議論を生成して記録するために非常に重宝します。ビデオ会議プラットフォーム、および MindManager マップ上で共同編集する新しい機能と組み合わせることで、これは、授業への参加を維持し、共同で作業することに苦労しているオンライン教員に最適なソリューショ ンです。
以下は、オンライン環境での共同作業や学生との対話に使用できるブレインストーミング テンプレートのサンプルです。
4. 教材の配布
前述したように、マインドマップは複雑な概念や学習教材を生徒に視覚的に見せるための理想的な方法です。マインドマップが作成される非線形な方法は、情報をセグメント化し、キーポイント間のつながりを描くのに役立ちます。
以下は、インドネシアのBunda Mulia Schoolの物理学の教員 Sutarto Sutarto が作成したサンプルテンプレートです。これは、彼が光電効果について生徒に教えるために使用している実際のマップです。
バーチャル教育は、生徒の興味を引き、役立つ方法で情報を伝えるためのツールを懸命に探し、使わなければ大変困難です。このプロセスを簡単にする新しいツールをお探しの場合は、MindManager をお試しください。
MindManager 30 日間無償トライアルをお試しください。マインドマップをテストできるフル機能のプラットフォームにアクセスできます。
この記事は、Why (and how) to use mind maps for online teaching | Brendan McConnell | NOVEMBER 5, 2020を翻訳したものです。