著者:ニコラス・ミストレッタ
SWOT分析という言葉を聞いたことはありませんか。SWOT分析とは何か、どのように使うのか、どのように実施するのかを理解すれば、非常に論理的で分かりやすいものになるでしょう。
まず、自分がプールの前に立っているところを想像してみてください。プールに飛び込む前に、あなたは何を確認するでしょう?プールに水が入っていることを確認します。十分な深さがあることを確認します。泳げるほどきれいかどうかを確認します。また、天候も考慮します。雷は泳ぐのに適していません。これが、SWOT分析のポイントです。
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SWOT分析とは
SWOT分析とは、事業計画や分析の過程で、新規事業や特定のビジネス戦略を進めることが有益かどうか(または危険かどうか)を見極めるために使用する図です。SWOT分析では、長所と短所、プラス要因とマイナス要因に焦点を当てます。
SWOTとは、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字をとったものです。強みと弱みは内部要因で、機会と脅威は外部要因です。SWOT図では、この4つの分野にそれぞれ1つのボックスを作成します。
注意がひとつあります。わざわざSWOT分析を行うのであれば、行った後に無視してはいけません。SWOT分析は思い込みを排除し、聞きたくない悪いニュースが出てきても、直感に頼る必要がなくなります。
SWOT分析の使い方
SWOT図は、上記の4つの要素のそれぞれを使って、あなたのプロジェクトや新規事業を分析します。
- 強み(Strengths)
- 弱み(Weaknesses)
- 機会(Opportunities)
- 脅威(Threats)
SWOT分析は、これらの要素ごとに4つのボックスで構成されていますが、その形は様々です。ただし、初めてSWOT分析を行う場合は、シンプルな四角い図が最も理にかなっていると言えるでしょう。
SWOT分析を行うことで、新規事業やプロジェクトの長所と短所を、すべてのプラス要因とマイナス要因を明確に示して可視化することができます。進めるか否かの判断が容易になるはずです。
SWOT分析の進め方
まず、4つの要因をそれぞれ定義し、それから図を作っていきましょう。
1. 強み(Strengths)
あなたのビジネスやプロジェクトのどの部分がうまくいっていますか?自分の強みはどこにあるでしょう?これらはあなたの重要な成功要因であり、あなたのビジネスの強みであり、競争力となる側面です。これらの資産を認識しビジネスを成長させるために、これらの強みを活かしていくことが重要です。
2. 弱み(Weaknesses)
自分のビジネスの弱点を認識し、それを改善する必要があります。競合他社と比較して不利な要素は何でしょうか?把握した後は、その影響を軽減するためのアクションが重要です。SWOT分析のこのステップでは、自分の組織でうまくいっていないことを正直に率直に分析する必要があります。
3.機会(Opportunities)
ビジネスを成長させるために活用できる市場の空きをピンポイントで特定することで、ビジネスに利用できる機会を特定します。これらは、市場の変動やトレンドなどの外的要因によって引き起こされます。機会を見極める際には、自社の強みと弱みを考慮し、見つけた機会が今の時代に合っているかどうかを常に自問することが重要です。
4. 脅威(Threats)
このステップでは、脅威を特定し、それを軽減または排除する方法を見つけます。市場の変動、政府の規制、世間の評価などは、ビジネスに悪影響を及ぼす可能性のある外部要因です。脅威を評価する際には、強みと弱みを考慮することは、強みの場合と同様です。発見した脅威にどう対応するかが重要です。
SWOT分析を行っていると、組織のある部分にとっての強みが、別の部分にとっての弱みであることに気づくかもしれません。例えば、ブランドイメージや100年の歴史を持つ企業は、農機具部門には有利であるが、新技術部門には不利であることが考えられます。
このような理由から、SWOT分析は事業全体で行うよりも、事業の各分野で行ったほうが有益な場合があります。
また、SWOT図の複数のエリアに同じ要因が記載されている場合もあります。例えば、特定の市場で存在感がないことは、弱みであると同時に、新しい市場に参入するチャンスでもあります。
SWOT分析のヒント
初めてSWOT分析を行い、初めてSWOT図を作成する際には、以下の4つのヒントを参考にしてください。
- SWOT図は簡潔に、要点を絞って作成してください。各エリアで最も関連性の高い詳細のみを記載します。情報や説明が多すぎて、図が埋もれてしまわないようにしましょう。後で会議や報告書でもっと詳しく説明することができます。
- SWOT分析を行う際には、フィードバックを得ましょう。より多様な視点を得るために、従業員、パートナー、顧客の意見を利用しましょう。様々な視点があれば、より綿密なSWOT分析が可能になります。
- SWOT分析を行う際には、自社のビジネスプランの中核となる目的を常に念頭に置いてください。そうすることで、一見無関係に見える内的・外的要因のすべてを把握することができます。
- SWOT図を作成する際には、SWOT分析の結果を、重要度の高いものから低いものの順に並べてください。これにより、今後のアクションに優先順位をつけることができます。
SWOTダイアグラムの作成方法
- まず、目的を決めます。SWOT分析図で分析する重要なプロジェクトや戦略を決めて、ページの一番上に書きます。
- 次に、グリッドを作ります。大きな正方形を描き、それを4つの小さな正方形に分割します。SWOT図作成プログラムを使用している場合は、SWOT分析のテンプレートがこの作業を行ってくれるでしょう。
- 一番上の2つは 「強み(Strengths)」と「弱み(Weaknesses)」 下側の2つは「機会(Opportunities)」と「脅威(Threats)」と4つのボックスに名前を付けます。
- 図の上部に「内部要因」、図の下側に「外的要因」と書きます。図の左側には「プラス要因」、そして、図の右側には「マイナス要因」と書き込みます。次に、該当する各ボックスに要因を箇条書きで入力します。
- プロセスを進めながら、要因の追加、削除、編集を続けます。
以上で終了です。これで SWOT 分析は完成です。完成したSWOT分析図のデータを分析して結論を出し下記を問うてみましょう。
―プラス要因がマイナス要因を上回っているか?
答えがイエスであれば、新規事業やプロジェクトの目的を遂行します。答えが「ノー」の場合は、調整が必要であったり、目的の範囲を変更しなければならないかもしれません。
SWOT分析図の例
このSWOT分析は、あなたの好きな場所にある架空のヘーファースタン・ブルワリーのものです。この新規事業を進めるべきかどうかを決めるために使用します。
SWOT分析図の優れた点は、概要を示すことで、左側が右側を上回る場合、プロジェクトや事業目標を立ち上げるかどうかを迅速に決定できることです。あるいは、右が左を上回っている場合は、そのプロジェクトやビジネス目標を立ち上げないことです。
SWOT分析の後
ビジネスの多くの側面と同様に、SWOT分析は一度限りのものではありません。SWOT分析は、今後も簡単にアクセスできるように、すぐにアクセスできる場所に保管しておきましょう。分析結果をどのくらいの頻度で見直すかを決める必要があります。
SWOT分析を継続的に行い要因の変化に応じて定期的に図を更新することを好む人もいます。また、四半期ごと、あるいは年に一度、SWOT分析を見直すという人もいます。いずれにしても、SWOT分析をそのままにさせることは失敗の元でありお勧めできません。
MindManagerからダウンロードできるSWOT分析テンプレート
下の画像をクリックすると、上で紹介したSWOT分析の例と、MindManagerで作成した空白のテンプレートにアクセスできます。ブラウザウィンドウの左下にある「メニュー」をクリックし、「ダウンロード」をクリックすると、テンプレートのコピーが入手できます。テンプレートをMindManagerで開いて作業を開始できます。
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この記事は、SWOT analysis: what it is, and how to use it | MARCH 16, 2021 を翻訳したものです。