著者: リアン・アームストロング
業務規程とは、企業によって意味合いが異なるものの、基本的には職場での特定の行動規範を記述したものです。多くの場合、業務規程は、スタッフに具体的な決定条件、基準、および例外を提供するために設計されています。業務規程の効果的な書き方を知ることには、以下のような多くのメリットがあります。
- 社内のさまざまなプロセスをより深く理解できる
- データパフォーマンスの向上
- プロジェクト納期の短縮
- コンプライアンスの維持
- 組織の俊敏性の向上
例えば、プロジェクト管理のようなビジネス上の取り組みが失敗する理由を考えてみると、特定の活動に関する基本的な規程を策定することで、どのようなメリットがあるのか、また、これらの指示を文書化することで、はるかに効果的であることがわかるはずです。
この業務規程作成ガイドでは、さまざまなタイプの職場の規程、それを適用する場所、そして7つの簡単なステップで作成するプロセスをご紹介します。
なぜ業務規程の書き方を学ぶのか
事業戦略を策定することは、高いレベルの視点から業務に集中するために不可欠です。しかし、業務規程を作成することで、その焦点を詳細な指示に変換することができます。
例えば、次のような例があります。
あなたが理想的な電気自動車 SUV を見つけカーリースを申し込みに行ったとしても、もしそのディーラーが支払い能力があることを証明できる顧客のみを相手にする戦略をとっていたら、あなたのリース申し込みを承認検討する前に、業務規程としていくつかの厳しい財務条件を満たすことを求めるでしょう。
内部業務規程は、チームや個人が特定のシナリオで何をすべきか、あるいは何をすべきでないかを示すために、仕事の進め方に関する期待値を設定します。一方で、外部業務規程は、政府やその他の外部規制の要件をどのように満たすかを決定します。
実際に職場にはすでに多くの規程が組み込まれていることでしょう。
しかし、業務規程を正式な文書として作成する方法を学ぶことで、あなたとあなたのチームは次のことができます。
- より安定して目標を達成し、期限の厳守
- 研修やトレーニングの効率化
- より頻繁に首尾一貫したビジネスを実践し、時間とコストを節約
業務規程のハンドブックやライブラリを作成し、手順のテンプレートや例、ガイドラインをまとめることで、プロセスを明確にし、日々のビジネス活動においてより良い方向性を示すことができます。
7つの手順で業務規程を作成
業務規程を作成して文書化する際には、「標準作業手順」と考えるとよいでしょう。
これらの手順の中には、例えば、会社の財務状況を株主に報告することなど、かなり複雑なものがあるかもしれません。また、「顧客からの申し込みはすべて書面で行わなければならない」というクレジットカード発行会社のポリシーのように、一文で説明できるシンプルなものもあります。
いずれにしても、記録したい、あるいは記録しなければならないビジネス上の指示を見つけ出し、文章化する方法はいくつかあります。
例えば、下記の業務規程を作成してみてはいかがでしょうか。
- 会社でプロジェクトを開始するにあたり発見した最良の方法(例えば、要件収集)
- 製品の設計または発売の一環として、完了する必要がある特定のタスク
- 会社や外部の専門家との共同作業から得られた最も効率のよい手法
- 効率化のために標準化できる、ビジネス上の共通プロセスや手法
これらの発見を正式な業務規程に落とし込む際には、以下の7つの簡単なステップに沿って書き出すことで、あなたとあなたのチームにとってより価値のあるものになるでしょう。
- 手順1:ビジネスに最も適した文書化システムを選択する(スプレッドシートやMindManagerのような多機能なドラッグ&ドロップ式のマッピングソフトウェアを使用する場合もある)
- 手順2:ユーザーにとって意味があり、参照しやすい規程の命名やラベル付けのシステムを作る
- 手順3:各規程の目的を明確にし、平易な言葉で説明
- 手順4 : ビジネスに関連する規程の実例を記載します(最良の結果を得るために、フローチャートやビジュアルマップを使用して規程を図式化するとよいでしょう)。
- 手順5: フォローアップや明確化を容易にするために、各規程のソース(人、部門、または利害関係者)を記載します。
- 手順6: 最大限の実用的にするため、各規程を他の関連する規程、ワークフロー、またはプロセスにデジタルリンクします。
- 手順7: 作成した規程には、必ず変更の履歴(日付と情報源を含む)を添付してください。
各規程の所有権を特定のチームメンバーに割り当てることで、業務規程を最新の状態に保つことができます。ただし、確立された規程を改訂すると、少なくともひとつ、場合によっては複数のワークフロープロセスに影響を与えることを忘れないでください。そのため、文言を変更する際には特に注意が必要です。
また、ビジネスの運営方法に適用できなくなった規程を定期的に削除することを規程にする(ダジャレです)ことで、ライブラリをきれいで便利な状態に保つ必要があります。
業務規程の書き方を知るには
ワークフローやポリシーの指示には様々な形がありますが、ほとんどの業務規程は「決定」と「計算」の2つのタイプに集約されます。
業務規程の文書化は、a)重要な「もしこうならこうする」の決定、b)データやその他の情報を評価するための手段を提供するものであるため、規程を書き出すことは、以下のような場合に便利であることがわかります。
- 定義されたビジネスプロセスに従う、またはマッピング 例えば、試作品のテスト、新しいサービスプロバイダーの評価、スタッフの休暇申請の承認など、特定の条件を満たさなければならない手順について、業務規程の記述が必要になることがあります。
- 結果や公式の結果に基づいて、行動の方向性を決定 多くの業務規程は、明確な測定値と結びついています。例えば、確立された指標を使用してセールスリードを評価したり、新規顧客が信用に値するかどうかを判断するために厳格な公式を採用したりします。
さて、業務規程を使用する可能性が最も高いと思われる場所を把握した上で、規程作成プロセスの例を見てみましょう。
業務規程作成例
ここでは、決定型規程と計算型規程の2つの業務規程の開発プロセスを、上記のシンプルなステップに基づいて説明します。
これらの例は単純なものですが、業務規程の文言が重要であることを忘れてはなりません。ご想像のとおり、「顧客はメールアドレスを持っていなければならない」という規程と「顧客は有効なメールアドレスを持っていなければならない」という規程の違いは、あなたのビジネスに大きな影響を与える可能性があります。
業務規程の例1:会社の購買発注書の承認
年間予算や部門予算を厳守することがいかに重要であるかを知っている(そして過去にキャッシュフローの問題に遭遇したことがある)あなたは金額に基づいて会社の購買注文を承認する責任者を規定する業務規程を作成したいと考えています。
シンプルな決定表を作成し、新しい規程をラベル付けして説明します。
業務規程初級/購買発注 – 目的:予算とキャッシュフローの整合性を維持
- 200ドル未満の個々の購入注文→部門長に承認
- 200ドル以上の個々の購入注文→会計責任者が承認
判りやすい例:プリンタ用紙やその他の事務用品を注文する場合
- 注文の合計金額は200ドル未満→ PO(発注書)を作成し、上司のサインをもらってください。
- 注文の合計が200ドル以上→ PO(発注書)を作成し、経理マネージャーのサインをもらってください。
規程制定者:経理部長 J Smith 2021年1月15日策定
業務規程の例2:新製品の開発を進める
あなたは、新製品の開発にどのくらいの資金を投入すべきか、また、どのくらいの収益が期待できるかについて、かなり良いアイディアを持っています。ここで、簡単なスクリーニング計算に基づいた業務規程を作成したいとします。
標準的なROI計算式を使って、新しい規程をラベル付けして説明します。
業務規程初級/製品開発 – 目的:製品開発のリスクを軽減
製品開発チームは、最初の市場調査プロセスの一環として、現実的で文書化されたデータを以下の式に挿入することにより、新製品から期待されるROIを計算する。
製品生涯売上高÷製品開発コスト×100
判りやすい例: より良いネズミ捕りを作る
- 計算式の結果、期待されるROIが20%以下の場合→その製品アイディアは却下
- 計算式の結果、期待されるROIが20~25%の場合→製品の機能とコストを再検討
- 計算式の結果、期待されるROIが25%以上の場合→製品開発プロセスの次のステップに進める
規程制定者:製品開発マネージャー S Jones – 2021年6月15日策定
業務規程の書き方を構造とアクセシビリティの両方の観点からチームに理解してもらうための最良の方法の1つは、実用的で使いやすい規程作成ツールを用意することです。
MindManagerのようなプラットフォームでは、さまざまな図のテンプレートを使用して、業務規程の文書をレイアウトして管理することができ、明確であるだけでなく、簡単に更新することができます。
マインドマップをフローチャート、
ガントチャートまで変換し管理する
個人はコチラから
法人はコチラから
この記事は、How to write business rules in 7 simple steps | JUNE 17, 2021 を翻訳したものです。